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2014年11月28日(金)

【剣道日誌】剣道と高倉健さん

 不世出の俳優、高倉健さんが亡くなった。今週の週刊誌はその話題で持ちきりのようだ。少し遅れた世代だが、60年代後半学生運動が盛んだった頃、健さんの仁侠映画は学生達で満席だったと聞く。仁侠映画と学生運動は不思議な取り合わせだが、義理や大儀のために死地に赴く健さんの姿が自身とダブっていたのかもしれない。

 

 高倉健さんは遠賀川沿いの中間市出身である。この流域で暮らす人々を昔から川筋気質とか川筋モンと言う。代表作「花と龍」はそこで暮らす人々の生ざまを描いた名作である。この映画での健さんの方言は地元そのものだ。セリフだけでも聴いてみる価値がある。また彼は東築高校OBでもある。高校は明治31年飯塚で旧制中学として開校し、翌年に現在の八幡西区折尾へ移転する。地図を辿ると、飯塚から遠賀川を下り現在の地に移ったことになる。当時、筑豊の石炭が遠賀川を下り日本の近代を支えた歴史と流れがそこで育った健さんとだぶる。丁度、健さんと川筋気質に関するコラム(11/20付北海道新聞ウェブ)を見つけた。http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/575477.html?rss 

 

 健さんと剣道は知る限りでは「ブラックレイン」である。松本刑事役の健さんが、稽古後マイケルダグラス扮するNY市警刑事ニックの持つ竹刀を払い、首を抑えるシーンは印象的である。静と動、この監督が作る独特の曇った画面から剣道を象徴とした日本の異文化を覗かせる。マイケルダグラスが健さんを突き飛ばすシーンから、異文化を理解できずにいる米国人の心を想像できる。健さんの着装は少し面が浮いているかなと思う以外、高段者に見間違える程に決まっている。 

 

人気スターが亡くなると、その方を通して自分を振り返ると言うが、健さんはより多くの人たちを振り返させているはず。ご冥福をお祈りいたします。

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