2010年11月7日(日)

スポーツ・運動

【剣道日誌】ガッツポーズ

埼玉県剣道祭参加のため先生方は少なめ。

毎日新聞に「孫の剣道大会でガッツポーズに対し一本が取り消されたことに感動」という投書が掲載されていた。柔道やサッカーのように「うれしさをそのまま表す」ことが主流のなかうれしい投書だった。

そもそも剣道の所作でガッツポーズはない。現代剣道においてガッツポーズ禁止はお相手にたいする思いやりという考え方が一般的である。もう少し掘り下げてみる。

「武士道」の著者新渡戸稲造先生は「武士道は自己の感情が他人に影響してはならない」とおっしゃっている。自己中心ではなく相手のことも考えよということだろうか。

「克己」という言葉にもそのルーツを見いだす。感情を抑えることは己に勝つことに通じ結果強い精神力が養われていくということである。

また剣道修行において懼・疑・惑・驚という四つの戒めがある。おかれた環境に対して感情をどれだけコントロールできるかである。冷静であるべしということだ。ここにもガッツポーズをしてはいけない答えがあるような気がする。

日本人が美と感じてきたことを現代ルールのなかで生かすことの大切さを考えた。